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婦人科手術

流産手術

流産について

流産について流産とは、妊娠したものの、妊娠後早い時期に胎児が死亡することを言います。具体的には妊娠22週より前の時期で、この時期に妊娠が終了するものはすべて流産とされます。流産の危険が最も高いのは妊娠12週までの期間で、流産のうち約80%はこの時期に起こるとされています。

流産手術の必要性

流産には「完全流産」「不全流産」「稽留流産(けいりゅうりゅうざん)」の3種類があり、このうち不全流産と稽留流産の場合は手術が必要になります。

不全流産とは、胎児やその付属物のほとんどが体外に出てくるものの、一部が子宮に残ってしまうものを言い、出血を伴います。したがって緊急で手術が必要になります。稽留流産は胎内で胎児が死亡した後も胎児が子宮内に留まっているものを言います。出血や腹痛といった自覚症状はなく、その後胎児が出てくれば完全流産となります。

胎児が出てくるまで経過観察をする治療方法もありますが、時間が経過しても排出が見られない場合は手術による摘出を行います。

早期流産の場合は自然排出を待つことも可能です

診断時の妊娠週が12週未満で、母体への感染の恐れがなく、母体が安定している場合は待機的療法によって胎児の自然排出を待つことも可能です。自然な回復が期待できますが、時間が経過しても排出がない場合や、排出があっても出血が多い場合は手術による方法に切り替えます。

流産手術の流れ

1予約・来院

WEBまたはお電話にて予約を行っていただいた上でご来院ください。

2診察

超音波検査により正常妊娠かどうかの確認や、正確な妊娠週数の確認を行います。その後手術の内容および術後のケア等について、担当医から説明を行います。併せて血液検査を行って血液型や感染症の有無を確認します。

3手術当日

手術は麻酔をかけて行いますので、眠っている間に終了します。手術時間は約10分程度で、吸引法という吸引機器を使用した手術を行います。吸引法で手術することで、短い時間での手術が可能となり、術後炎症のリスクを減らすことが可能です。
手術後3時間程度で歩けるようになりますので、それまではベッドで安静にしていただき、その後ご帰宅いただきます。

4術後検診

術後1週間程度経ちましたらご来院いただき、術後検診を行います。検診では手術後の炎症や出血などの状態や、子宮の回復状況を確認します。

注意事項

  • シャワーは手術当日から可能です。
  • 仕事や家事などは無理のない程度に実施してください。
  • 出血の有無や量は個人によって異なりますが、気になるようであれば当院にお尋ねください。
  • 性行為は2週間程度は避けてください。

流産手術の費用

手術は保険適用となります。ご来院時は健康保険証をお持ちください。

内容 費用(3割負担)
診察・検査 7,000円程度
手術 20,000円程度
術後検診 3,000円程度

バルトリン腺治療

バルトリン腺の役割

バルトリン腺は膣の入り口にある分泌腺で、膣の入り口から1~2cmのところに左右に1つずつ存在します。性行為を円滑に行うための粘液を分泌する役割を持っており、開口部は2mm程度の大きさで、ここから粘液が排出されます。

バルトリン腺にできる
できもの

バルトリン腺からの分泌液を排出する導管が詰まったり、細菌に感染すると炎症を起こし、膣の入り口にできものができることで腫れてきます。
原因の違いや症状の違いによって「バルトリン腺のう胞」「バルトリン腺炎」「バルトリン腺膿瘍(のうよう)」に分類されます。

バルトリン腺のう胞

バルトリン腺からの分泌液を排出する導管が粘度の高い分泌液によって詰まることでのう胞ができる病気です。のう胞によって膣の入り口が腫れてきます。痛みを感じないこともあり、導管の詰まりの元となっていた粘液が排出されると腫れは解消します。

バルトリン腺炎

導管に性感染症を起こす細菌や大腸菌、ブドウ球菌等が入り込んで感染し、炎症を起こす病気です。以前は淋菌等の性感染症を起こす細菌による感染が症例として多くありましたが、最近は大腸菌やブドウ球菌等によるものが多くなっています。主な症状は膣の入り口の赤みや腫れです。

バルトリン腺膿瘍(のうよう)

バルトリン腺炎が進行して奥にも炎症が起こる状態です。バルトリン腺内に膿が溜まる症状が見られます。外陰部の赤みや腫れ、痛みといった症状も発生し、立ったり歩行したりする動作に影響が出る場合があります。

バルトリン腺治療の種類

膣の入り口等が炎症を起こして痛みがひどい場合は、抗生剤や鎮痛剤を使用して症状の緩和をはかります。膿瘍ができている場合は、バルトリン腺の穿刺や切開、開窓術などの手術によって溜まった膿を取り除きます。

バルトリン腺穿刺術

腫れて膿が溜まっている部分に針を刺して膿を吸い取ります。これによって腫れがなくなると共に痛みも和らいできます。

バルトリン腺開窓術

腫れて膿が溜まっている箇所に、窓のように穴を開ける手術です。バルトリン腺内に溜まった粘液や膿を持続的に排出することができます。穿刺術や切開術を行っても再発する場合に行われます。