葉状腫瘍とは乳房にできる腫瘍の1種で、楕円状の柔らかな腫瘍ができるものです。2~3ヶ月といった比較的早い時間で増殖し葉のような形で大きくなります。 乳腺組織を構成する上皮である乳管細胞と、間質細胞(線維芽細胞など)のうち、間質細胞が腫瘍となって増殖するもので、良性、境界病変、悪性に分類されます。基本的な治療方法としては手術による摘出です。
葉状腫瘍は、乳房に葉のような形の大きなしこりができ、急速に大きくなります。しこりは触ると硬めでよく動きます。また周囲との境界ははっきりしています。 しこりが大きくなると乳房の形や大きさが変わってきますので、見た目で分かるようになります。
発症から2~3ヶ月ではっきりと分かるくらいにしこりが大きくなります。大きい時は10cmほどになる場合もあります。基本的にはしこり以外の症状は見られません。
乳がんは乳腺細胞の上皮にできますので、主に間質細胞に腫瘍ができる葉状腫瘍は乳がんとは別物です。なぜ葉状腫瘍ができるのかについては、はっきりしたことは分かっていません。また何が葉状腫瘍を引き起こすかといったことも解明されていません。
葉状腫瘍ではないかと疑われる場合は、乳房の超音波検査とマンモグラフィ検査を行って乳がんではないことを識別し、腫瘍細胞の確認を行います。また針生検を行って採取した組織片を顕微鏡で観察します。
葉状腫瘍の治療方法は基本的には手術による切除です。再発率が高いので、病変の部位は完全切除を行います。場合によっては乳房切除になることもあります。